「どこに行くんです?」


「翔平ちゃんと約束した所」








そう言っても翔平ちゃんは分かってないみたい。


今日のために色々プランを練るときに。


真っ先に入れた事。


行かなきゃいけない場所。


どんどん田舎に向かう車。








「到着しました」







長谷川の声で車の外へ出る。


ここは…そう、夏に翔平ちゃんと来た別荘。


長谷川から供えるための花束を受け取る。







「……ここは」


「一緒に行くって約束したでしょ」







それに翔平ちゃんのお父さんとお母さんにも。


頑張って巻いた髪の毛が風で揺れる。


驚いた顔をしていたけど、長谷川から水の入ったバケツと真新しい真っ白いタオルを受け取る。


案内しますと言って、わたしの前を歩いていく。