わたしを見て、ニコッと笑う。
ああああああ!!
ほんとにこの人はやばい!
わたしに寄ってきては。
「お嬢、可愛いです」
「翔平ちゃんこそ…かっこよすぎて…」
「ありがとうございます」
これこれこれ!!
わたしはこれがしたかったの…。
ほんとに嬉しい。
長谷川が車を回してくれて、2人で乗り込む。
移動手段は車を使いたいって、長谷川にお願いすると、喜んでと言って引き受けてくれた。
「それで、まずはどこに行くんですか?」
「もう決めてあるの。…長谷川」
「かしこまりました」
バックミラー越しに軽く頭を下げて、車は走り出す。


