にひひと笑うこの子を。
俺が守らなきゃいけない。
そう思わせてくれた瞬間。
これをまた自分自身で経験できるなんて。
小さな手から四つ葉のクローバーを受け取り、温かくなる胸にくすぐったいものを覚える。
これも当時感じたまま、俺の中で感じる。
これは…走馬燈?
じゃあ、やっぱり俺は死んだのか?
「ありがとうございます、お嬢」
…もう、逢えないのか。
二度と、目の前の子に。
守らないといけないのに、死んだのか…。
情けなくて…悔しくて、寂しくて。
目の前の子を強く抱き締めた。
「しょーへーちゃん?いたいいたいなの?」
「大丈夫ですよ…」
「でもしょーへーちゃんないてる」
ずっと成長を見てきて、俺を変えてくれた。
大切な子を守って死ねたことは本望。
…だけど。


