「心配しないで、大丈夫だから」






そう、笑いかけて言うものの。


授業中も、不安がやってくる。


…翔平ちゃん。


お父さんも無事かな。


組員の人たちも…。


お願い、無事でいて。


机の下で、ぎゅっと掌に爪の跡が残るくらい握りしめていた。






「今度からは気をつけるように」


「わかった!」






放課後、職員室にスマホを返してもらいに行ったらわたしは国木田先生から差し出されたスマホをすぐに開く。


もしかしたら連絡が誰かから来てるかも…!






「……はあ…」






わたしの携帯にはゲームの通知やSNSの通知以外には何も来ていなかった。


自然と出てくるため息。


もうほんとに…何してるのよ。






「次見つかったら居残りだからな」


「ええ!?なにそれきいてない!」


「白鷺だけの特別措置だ。あれだけ言って治らないならしょうがないだろ」


「そんな…国木田先生、酷い」






キッと先生のことを睨む。


掃除なんてしたくない。


うちの掃除なら翔平ちゃんと喜んでするけど。


なんで学校の追加掃除までしなきゃなんないの。


…今度からは気をつけよう。