「お願いします」
頭を下げる。
はあ…とため息が聞こえた。
やっぱりわがまま…言いすぎたかな…。
「あなたが神崎さんを大切に思ってるのは知ってるわ。何時間も見守ってるって聞いてるし……いいわ、神崎さんの主治医にはわたしから話しておく」
「…ありがとうございます!」
嬉しい…。
ニコッと笑うお医者さんに、わたしも笑い返した。
「すまんな、迷惑かけて」
「いいえ、白鷺さんの力になるようにって院長からも言われてますからね」
この病院の院長とお父さんは中学からの同級生らしくて。
組員の人達が怪我した時とかも、ここに来るんだそう。
「梨瑚さん、くれぐれも無理しないようね」
「はい、お世話になりました」
抜糸の時、痛いから覚悟しとくよのって、冗談交じりに言う先生。
お父さんも笑いながら冗談を言っている。
………抜糸…やりたくないな…。


