そんな日々が、どのくらい続いたのか。
「中、入られますか」
白衣を着た、お父さんと同じ歳くらいのお医者さんが声をかけてきた。
「いいんですか?」
「はい、様態も安定してきましたし。毎日何時間もここにいるの見てますから」
そう言って、翔平ちゃんの病室を開けてくれた。
終わったら声掛けてくださいね、そう言って扉を閉めた。
ベッドに横たわる翔平ちゃんに近づく。
顔を覗き込む。
苦しそうな顔をしていないことが幸いだった。
傍にあった、椅子に座って翔平ちゃんの手を握る。
ピ…ピ…と、規則正しく聞こえる機械音。
「……あったかい…」
大きな手は温かくて。
翔平ちゃんは一生懸命生きようとしてるんだ。
こんなひどい怪我をおっても。
戻ってこようとしてくれてるんだ。


