優しい…。
そんなところも好き。
翔平ちゃんが好き。
だけど。
「今の…翔平ちゃんは嫌い」
「そうですか」
そう言ってまた笑う。
なんで…なんで笑うの。
なんで怒らないの。
なんでよ……。
「お昼ご飯、作ってますので好きな時に食べてください」
頬から大きな手が離れていく。
ご飯なんて食べる気になれなくて、翔平ちゃんに背を向けて自分の部屋に戻る。
今度はベッドに潜り込む。
もう翔平ちゃんが何考えてるかわかんない。
なんで笑うの、何笑ってるの。
「…あああ!!わけわかんない!!!!」
枕に顔を埋めて叫ぶ。
目を閉じてわたしが次に目を覚ましたのは、朝だった。


