くっついては離れて。
その度に目を開けて翔平ちゃんの顔を見る。
こんな幸せなことあって大丈夫かな。
幸せの30分。
…たった30分の幸せ。
「「「「「おかえりなさい」」」」」
「ただいまー…」
家に帰りついて、平気な顔をするのが大変…。
翔平ちゃんが車のドアを閉めると、松葉杖の亮くんが近づいてきた。
「翔平さん、お客様がいらっしゃってます」
「お客様?…約束はなかったはずだけど」
「女の方で…何時になってもいいから待たせてもらうって、今組長がお相手を」
「名前は?」
「大槻美華(オオツキミカ)様とおっしゃっていました」


