少しの間の後。






「子どもなんて、思ったことないよ」


「…翔平ちゃん…」


「ずっと、梨瑚しか見てないよ俺は」






左側の首筋に柔らかい感触。


くすぐったい…。


チクッと、首筋から全身に電気が走る。






「翔平ちゃん…っ、いたい」


「梨瑚、好き」






その一言だけで、頭がクラクラする。


翔平ちゃんが、好きって言ってくれた。


忘れないように頭の中で、翔平ちゃんの声で今の言葉をリピートする。






「…っ」


「ここ、好き?」






首筋にキスを落とす。


ふわふわな翔平ちゃんの髪の毛が頬に触れる。


好き…とか、よくわかんないけど。






「変な、感じ…する」


「いいよ、俺だけ感じてて」


「やだ…長谷川が見てるから!」


「俺が梨瑚のことどれだけ好きか見せとけばいいよ」