わたしの名前を呼んだのは、朝陽くん。
顔はそっくりなのに。
違う。
翔平ちゃんがわたしの名前を呼ぶ時と違う。
「……また明日な」
「うん!また明日!!」
朝陽くんに手を振って翔平ちゃんを見上げる。
スーツ姿がほんとによく似合う。
本物を見ると、余計朝陽くんが似てるのがわかる。
「お嬢、だめですよ」
「何が?」
「俺以外、見てたら怒りますよ」
「え…それって」
「さ、乗ってください」
ドアを開ける翔平ちゃんを凝視。
翔平ちゃん…嫉妬してる…?
そう思うとなんだか、少し優越感。
わたしが車に乗り込むとドアが閉まり、反対側のドアが開いて翔平ちゃんが乗ってくる。
「梨瑚さん、おかえりなさい」
「ただいま長谷川、いつもご苦労さま」


