「彼氏…とは違うような」
「なんだそれ」
「なんて言うか…わたしは好きなんだけど…たぶん向こうも好きなんだろうけど…」
「わけわかんねーな」
「わたしもわかんない」
そう言われると確かに。
彼氏とは違うような。
わたしにとって翔平ちゃんは大事な人で、同時に好きな人でもあって。
翔平ちゃんはどうかな。
あの時…、夏祭りの時は恋人だって言ってくれたけど。
でもあれは、わたしが元気ないの見て言ってくれただけかもしれないし…。
「朝陽くんは?彼女とかいないの?」
「あ?今はいねーかな、向こうにいる時はいたけど」
「向こう?」
「イギリス」
「イギリス!?」
まさか国名が出てくるとは思ってなくて、大きな声が出る。
うるせーという朝陽くんに、ごめんと言う。


