お兄ちゃんと私は耐えて、耐えて、耐えた。

私は、身も心もボロボロだった。
あと何日耐えれば…そんなことを考えて毎日過ごした。

無理矢理犯された日にはお兄ちゃんが綺麗にしてくれた。
「美桜は綺麗だよ。」って、癒してくれた。

でも、私は知ってる。

私を寝かしつけたあと、お兄ちゃんがどこかに出かけているのを。

「もう、どこにも行かないでって言ったのにっ、どこ行くのお兄ちゃん」

そう言いたかった。でも、真夜中に家を出るお兄ちゃんが、儚くて、強い意志を感じさせて、

…かっこよくて。

いつも、優しいお兄ちゃんが髪を染めて、ピアスを開けて。…誰だって察しはつく。

だから今日、私は、目を背けるのを辞めることにした。本当のお兄ちゃんを、知りたい。そう思った。

お兄ちゃんが中学3年生、私が中学2年生になった、春のこと。

……私の人生で、今までで、もう十分すぎる程に色々なことがあった人生の中で、1番の転機だった。