「Wyglada dobrza!(よく似合ってるよ!)Piekne!(綺麗!)」
放課後、ダンスパーティーが開かれるホールで本番の時のように黒い立派なスーツを着たフェリクスは目の前に立ついつきをこれでもかというほど褒める。
いつきも本番のようにドレスを着ていた。白いフリルのついたドレスだ。頭にも髪飾りをつけている。初めて着たドレスにいつきは恥ずかしさを抑えられない。
それなのに目の前にいるフェリクスが褒めちぎるため、いつきの体はプルプルと恥ずかしさで震えた。まだ褒め続けているフェリクスに真っ赤な顔を向けて叫ぶ。
「あ〜、もう!!恥ずかしいからやめろ!!どうせ馬子に衣装なんだから!!」
すると、フェリクスは「何で?本当に似合ってるのに……」と不思議そうな顔をした。
ポーランドの男性は褒め言葉を惜しまない。女性が褒めてほしい時にさらりとリアクションすることができる。謙遜というものはあまりないのだ。また、花を日常的に贈ったりとロマンチストだ。


