それは…人。
それも男の人。



ついにここまで来たかと頭を抱えてしまった。


父「ただいま〜!!!玲奈居るか?」

「おかえり。何?…誰?」

父「今日から一緒に暮らす伏見 陸(ふしみ りく)君だ。」

「ん?えーっと、一緒に暮らすってどういうこと?」

父「お茶でも飲みながら話そう。」

お茶を入れながら父が連れてきた男を盗み見る。
髪は金髪だしロン毛だし、どちらかといえば関わりたくないタイプの人間だ。
まぁ、顔はイケメンの部類に入るのかもしれないが。

「はいどうぞ。」

陸「ありがとうございます。」

お礼はちゃんと言えるのね。

父「陸くん話してもいいかい?」

陸「どうぞ。」

父「陸くんが働いていた会社が突然倒産してしまって寮に住んでいたけど寮にも入れない状況になっているらしいんだ。だから放っておけなかった。」

「そう。わかった。でも、布団も部屋も無いよ?」

父「ん〜そうだな…。あ、玲奈の部屋の隣、物どかせば生活できるだろ。」

「本気で言ってるの?あそこ私の部屋と続いてるんだけど。」

父「大丈夫大丈夫。」

「わかった。とりあえず、今日は私の布団貸すから。」

陸「俺、床でも大丈夫ですよ。」

「まだ寒いんだから風邪ひくでしょ。私は毛布があれば寝れるから。あと、私に敬語使わないで。そっちの方が年上でしょ? 」

父「22歳だってさ。」

「じゃあ、夜ご飯準備するからお父さんは部屋の片付けして来て。猫用品私の部屋にも置いていいから。」

父「了解。陸くん手伝って。」

陸「はい。」