「篠田くんが来たら、勝手に移動させるんじゃないかな?」
「そう?
でも、一瞬でも近付かれるの怖くない?」
「うーん…たしかに」
その一瞬で背後から殴られる可能性も…。
「怖すぎるね」
悪いなぁ、と思いながらも、篠田くんの机をゆっくり後ろに下げた。
ごめんね篠田くん。私はまだ生きていたい。
とりあえず両手を合わせて頭をさげた。
HRが始まるチャイムがなる直前になって、篠田くんが教室に入ってきた。
……篠田くんが朝から教室に来るなんて、結構レアだ。
クラスの誰もがそう思ってるのか、一瞬で教室は静まり返ったし、篠田くんの方をチラチラ見ていた。
おかげで篠田くんはクラス全員睨んでたけど。