「さっき、秦太と話してたみたいだけど、
なんか言われた?」



「あー…いや特には。
なんか、校内新聞のネタについて言われてて…」



「あ、それもしかして仁の取扱説明書?
秦太が昨日、自信満々に見せてきたよ」



「そうなんですか。
でもあれ、嘘ですよね。
半径3メートル以内なんて、教室じゃ普通に入ってますし…」



「仁も所構わず人殴るわけじゃないから。
背後取られたり、寝てるときに近付かれる方が敏感なんだよ」




……寝てる時の方が敏感?



昨日普通に寝てたよな…。




「それも嘘じゃないですか?
寝てる時近付いても全然起きませんでしたよ」




ははは、と笑うと



立花先輩は『えっ』とびっくりしたような声をもらした。