秋穂まで、なにを言ってるんだ?
もし、とか、そんなこと考えてる時間、必要?
ありもしないこと考えて、何になるんだろう?
「考えたことない。
そんなこと、考えたって仕方ないし」
「……まぁ、そうだよね。
自分には関係ない話かもしれないしね」
しれない、じゃなくて、関係ない。
篠田くんが美月さんと幸せなら、なぜそれを邪魔する必要があるんだろう。
先輩が考えすぎなだけだ。それに惑わされちゃいけない。
「立花先輩が、勝手に言ってるだけだよ。
ほら、次の授業始まっちゃうよ?」
「……だね!
あぁ〜立花先輩、間近でみたら超かっこよすぎて夢の世界にいた気分だよ〜…」
未だ頰がゆるゆるの秋穂。
そんなにいいんだ、立花先輩。
たしかに、めちゃくちゃ目の保養ではあるよね。
しかしなんで先輩は私に言ってくるんだろう。
……美月さんが嫌いだとしても、私じゃなくていいのに。
先輩がなにを思って、私に篠田くんのことを頼んでくるのか…本当に謎だ。