蜂谷くんの説明書を思い出して、身震いする。



半径3メートル以内なんて、余裕で入ってるじゃん…!!



いつ殴られてもおかしくないのでは…と、全神経背中に集中させる。



こんな席でまともに授業なんて出来ない…。



チラ、と後ろを見ると、



篠田くんが、唇の端につけた絆創膏を撫でていた。




「……なに見てんだよ」



「ひっ…!
す、すいません…!」




ジロ、と睨まれ、肩を縮ませて前を向く。



剥がれそうだったのに、絆創膏ちゃんと貼り直してくれたんだ…。



迷惑では、なかったかな?



なんだか愛おしそうな顔して絆創膏を撫でるから、私がドキッとしちゃった。