「あ、仁。
桃奈ちゃんも」




教室に戻ると、立花先輩が私の席に座って秋穂と一緒にお昼を食べていた。




「あ、2人、手繋いでる!」




秋穂が嬉しそうに声をあげると、



先輩も『わお』と驚いてから、嬉しそうに笑った。




「仁、ちゃんと伝えたんだな」



「うん」



「桃奈ちゃんも。
諦めなくてよかったね」



「…はいっ」




えへへ、と思わずニヤけると、



立花先輩が仁くんを見ながら「おい」と声をかけた。




「仁。
不機嫌」



「……」



「なんだよ。
俺が『桃奈ちゃん』って呼ぶのが気に入らねぇの?」



「……ちょっと」