美月さんはそのまま頭を下げ、友達と一緒に歩いていった。




「あれでもう何もしてこなきゃいいけど」



「もうしてこないと思うよ」




きっと大丈夫。



そう思ってぎゅっと握る手に力を込めた。




「……てかさ、
桃奈さっき…」



「ん?」



「……『仁くん』って言ったろ。
あれ、すげーキた」




自分の心臓をおさえながら、篠田くんはじっと私を見つめる。




「なぁ、
これからずっと、そう呼んで」



「えっ!!」



「嫌?」




首を傾げて、上目遣いで聞いてくる。



ずるいなぁ…。



男らしいと思ったら、可愛いとことか見せてくるし…。



どうしよう。



篠田くんのこと、どんどん好きになってる。