「うん。
たぶん絶対許さない」
「……ごめんなさい」
「でも、
美月さんも、ただ仁くんが好きだっただけなんだよね」
そう言ったら、泣きそうになりながら美月さんはうんと頷く。
「美月さんのことは許さないけど、
美月さんに怖い思いをしてほしいわけじゃないから」
「……」
「だから…」
そこで篠田くんの手をぐいっと引っ張って、篠田くんを見つめた。
「篠田くんも、謝る」
「は、何で俺が」
「謝る!」
篠田くんをジロっと睨んで言うと、
篠田くんが観念したようにはぁ、と息を吐いた。
「……悪かった」
篠田くんが美月さんにそう言うと、
美月さんが涙ぐみながら、首を横に振って「いいの…」と呟いた。



