立ち上がって、深く頭をさげる篠田くん。
私も思わず立ち上がって、篠田くんの肩を掴んだ。
「や、やめて?
顔あげて?」
「会えたら絶対謝るって決めてたから。
本当にごめん」
「ほんと…いいから、顔あげて?」
ぽんぽん、と肩を叩くと、篠田くんがゆっくり顔を上げた。
「久我…」
「篠田くんのこと、
恨んだりしたことないから。
だから、謝らなくていい」
むしろ謝るのは、私の方。
「篠田くんは、私を守ってくれた…。
前にも、階段から落ちそうになったときに助けてくれたりした…。
私の方が、迷惑かけてる…ごめんね…」
「んなの、迷惑じゃないし。
百華からの嫌がらせは俺が原因だし…」
「でも…私が美月さんから恨まれてるのは、
私のせいだから」



