教室に戻ったら、



南が俺の姿を見てびっくりしていた。




「ちょ、篠田くん血!!!」



「ん?あぁ」




手のひらから指先へ血が流れてるのを見て、南の顔が青ざめていく。



別に、大したことないのに。




「絆創膏持ってるから!
これで血拭きな!!」




そう言って、南がわざわざ水道でティッシュを濡らしてきてくれて、それを渡してくれた。




「ありがとな」



「篠田くんがお礼言うとか激レア…!」



「あ?」



「いや、なんでもないです!!」




血を拭うと、



南が絆創膏を貼ってくれた。




「はい、これで大丈夫」



「あぁ……ありが…」




手当してくれた手を見ると、



見覚えのある絆創膏に、言葉が詰まった。