屋上に向かって階段をのぼっていると
上から何かが降ってきて、咄嗟に手でそれを弾いた。
弾かれたそれは、パキ、と音をたてて床に落ちた。
「……あーあ。割れちゃった」
「大雅くん…」
上から声が聞こえて、
大雅くんが手すりに頬杖をつきながら、俺を見下ろしていた。
「割れちゃったじゃないよ、
なんでピアス落とすんだよ」
「……色々ムカついてんだよ」
床に落ちて、割れてしまったピアスを拾い上げる。
……これ…頑張って作ったのにな。
「ムカついてるからって、
なにもピアス壊そうとしなくても…」
「ムカつくんだよ。
そのピアス見てると」
大雅くんの声が、すごく怒りに染まっている。
…なんで、そんなに不機嫌なんだ。
2年前の、荒れていた頃の大雅くんみたいだ…。



