そんなはずはない。
だって百華が、あの時の女の子だって自分で言ったんだから。
百華なんだ…。
……なのに
なんで、こんなにモヤモヤする?
「……久我が大事な話してるって、誰と?」
「立花先輩だよ」
「大雅くんと…」
それも、ずっと引っかかってた。
大雅くんは百華のことには全く興味を示さないのに
久我とは仲良くしてる…それも、他の人には見せないような優しい態度で。
きっと大雅くんは、久我のことが好きなんだと思っていた。
でも……そうじゃなかったのかもしれない。
「……」
「篠田くん?」
「………」
不思議そうに俺を見る南に頭をさげ、俺は教室を出た。