どうぞ、と立花先輩が自分の隣を空けてくれる。
そこに腰を下ろして、こっそりスカートのポケットに入れていた先輩のピアスを握った。
「あの、ピアスって
いつまで預かってればいいですか」
「あぁ、そーね。
いつまで預けてればいいんだろうね」
先輩が何も付いていない耳たぶを擦る。
「桃奈ちゃんが、アイツの本当の心を見つけるまで、かな」
「……それ、文化祭の時にも似たようなこと言ってましたが、
どういう意味ですか?」
「………知りたい?」
風で先輩の髪が揺れて、チラチラと目が見え隠れする。
口角を上げ、
先輩の指が、私の前髪をすくった。
「……!!」
その瞬間、私がバッと額を押さえた。



