「……いいのかよ、
自分の欲しいもんもらわなくて」



「……欲しいもの、もらったから」



「?
そのピンクのやつが欲しかったのか?」




違うよ。



たしかにすごく可愛いけど、そうじゃなくてね。





篠田くんからもらったものだから、



これが一番欲しかったものなんだよ。




「……篠田くんは、どうしてこれを選んでくれたの?」



「似合いそうだと思ったから」



「ストラップとかでも、いいじゃん」



「あー…
なんとなく?」




頭を掻きながら、篠田くんは顔をそらす。



なんとなく…か。