え……
「篠田くん、え…」
「なに?」
「い、いいの…?」
「久我がいなかったら、俺スタンプラリーなんてやってなかっただろうし。
それは久我のでいいだろ」
「でも…参加費も出してもらっちゃってるし…」
「いいよ。
それなりに楽しかったし」
ポン、と私の頭に手を乗せる篠田くん。
私はポケットに入れた先輩のピアスを、スカートの上からぎゅっと握ったあと、
さっきくれたものと同じ形の、水色のブレスレットを手にとって、篠田くんの手を掴んだ。
「……久我?」
「……もらうばっかりじゃ、嫌だから」
篠田くんの手首にそれをつけると、
篠田くんがびっくりしたように目を見開いた。



