篠田くんの取扱説明書




ぎゅっと先輩のピアスを握って、



新聞部の部室に向かった。












新聞部の部室の扉を開けると、



明るい金髪が目に入った。




「……あ」




私に気付いて、振り向いた彼が、



フッと優しく笑った。




「よ」



「……篠田くん」



「よく眠れたか?」




なんで、寝てたこと知ってるんだろう。



もしかして、篠田くんが視聴覚室に来て、ゴミを捨ててくれたのかな。




「うん…。
ゴミ捨ててくれたの、篠田くん?」



「おー。
ついでにな」



「ありがとう」



「気にすんな」




篠田くんが私の方に歩いてきて、



ん、と何か差し出してきた。