篠田くんの取扱説明書




「先輩が怖いです」



「ん?」



「何もかも見透かされてるみたいで…怖いです」




私が小さく呟くと



先輩はフッと笑った。




「わかるよ。
桃奈ちゃんの気持ち…仁に関することならね」



「え……」



「キミは、仁の“運命の人”。
だったら、

桃奈ちゃんにとっても、仁は“運命の人”だよ」




ほら行きな、と先輩が私の背中を押す。



……なんで?



それは、美月さんでしょ…?



先輩にそれを言おうとしたら、



先輩が自分の耳についているピアスを外した。




「桃奈ちゃん」



「え……?」



「これ、預かってて」




ピアスを私の手に乗せると、



先輩はぎゅっと私の手を強く握った。




「必ず、仁の心からキミを見つけ出して」



「……え…」



「偽りの恋心なんて、消してやってよ」