篠田くんの取扱説明書




風邪でも、お腹壊したわけでもなかったんだ…




「よ、よかったぁ〜…」




お菓子食べた後、



なんか深刻そうな顔してたから、心配だった…。




「心配してくれてたわけ?」



「え…う、うん…」



「ふーん」




篠田くんが、フードの上からポンポンと頭を撫でる。



その時の篠田くんの表情が、なんだか嬉しそうに見えた。




「し、篠田くん?」



「ん?」



「いや……なんでもないです」




なんで、



嬉しそうなんだろう?



って聞いたら、私の気のせいだった時に恥ずかしいからやめよう。




「仁、イチャつくなら他所(よそ)でやれ」



「イチャついてねーし」




立花先輩が、私と篠田くんの背中を押して教室から追い出す。




「2人でどっかまわってきたら?」