緋織side


双子の弟であった伊織との会話
それはまるで鏡の前に立つ自分と会話しているようだった


それにまたむしゃくしゃした気分になる


少し乱暴に歩みを進める
こんな気分ではダメだ


———俺は〇〇の人間だ。


この程度で表彰を崩すことなど自殺行為だ


「緋織!!」


この学校で俺の名前を呼ぶ奴は限られている
それから足音を極力小さくするような走り方


「博樹、うるさい。
歩き方、気をつけろ。」


「へいへい。」


「で、何?」


「............。」


博樹が黙った



それはサインだ