由紀side


「............伊織、緋織とは、どう言う関係?」


この質問が出来るのは、今僕しかいないと思った


「............あいつは、俺の双子の兄だ。」


その言葉に驚く反面、「やっぱり。」そう納得する部分があった


眼鏡で隠れてはいるものの、目元なんて伊織とそっくりだし鼻の形だってよく似ていたから


「え............? でも、兄弟いる何て言ってたっけ?」


伊織に兄弟なんていないか。そう思っていたのに本当はいたということなのだろうか


「12の頃に、いなくなったんだよ。緋織は。
手紙を残して。 親がいなくなった次の日に。」



その言葉で、伊織の抱える闇が見えた


来夢も、慎平もヒュッと喉を鳴らした




「家族を全て失ったよ。」





ああ、僕たちの総長は、この中で誰よりも大きな爆弾を抱えていたのかも知れない———