「はぁ、確かに俺は緋織です。
でも貴方に関係ありますか? 」




【冷たい声】




俺をまっすぐ射抜くような鋭い目


俺の記憶の中の、緋織ではなかった


いや、“あの時の緋織”だ


父と母が死んだと知らされた、あの時


狂ったように嗤った、“12歳の緋織”だ


「関係ないって! 仮にも俺らは双子だろ!?」


悲痛な俺の声すら、こいつには届いていないのだろうか