「なんなんだよっ!?お前はっ!!」
............そっと目を開ければ、想像していたものとは違う光景が目に飛び込んできた
黒いパーカーに身を包んだ、長身の男
華奢な肩幅からは想像できないほどの力で男の手を掴んでいる
ブロック塀のブロックを掴んだ男の腕はピクリとも動かず、男の顔はだんだんと赤くなっていき力を入れているのがわかる
こいつ、強い............!!
黒いパーカーの男は、躍起になっている男の足を思い切り払うと、体制を崩した男の腹を蹴った
グキっ
ヒュッと喉が詰まるような感覚に襲われる
男の体はくの字に折り曲げられる
《俺はこいつには敵わない。》
その考えが漠然と頭に浮かぶ



