気が付いたら走り出していた。
急いで階段を降りて、中庭の入り口まで来て足を止めた。
こんなに急いで走ったのは久々でかなり息が上がっている。
息を整えてから中庭に足を踏み入れ、千春の前に立った。
「千春くん、何してるの?」
千春は一瞬目を大きくして驚いたが、直ぐにいつも見せる微笑みになった。
「・・・樹こそ。」
「千春くんのこと探してたんだよ。そういえば私、千春くんのクラスすら知らなくて、少し悲しくなっちゃったよ。」
「・・そんなに俺に会いたかった?」
「!! ちっ違っ!!そういうことじゃなくてっ!!」
本当は100%違うとは言い切れないんだけど!
予想外の返しに耳まで熱くなって、動揺が隠し切れない。
そんな私の様子をみて、千春は物凄く楽しんでいる。
