近くのカフェのイケメン店員を「兄です」って言いたい


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今日は、一つ事件が起きた。

放課後、教室に入った時。

もちろん幽霊部員で実質帰宅部なんて、クラスでは私くらいだし、教室に誰もいないと思って、忘れ物を取りにいった。

しかし、そこにはあの私を馬鹿にした女子が泣き崩れていたり

その先には、その子が片思いしているという噂があった男の子がいた。

...どういうこと?どうして?

私の思考回路は目の前の事象に追いつかず、ついしばらく立ち尽くしてしまった。

そして、私の中で仮説が立った。

おそらく、あの子は告白した。そしてふられたので、泣き崩れている。これ以外、考えられない。

もう数秒間、2人の視線はこちらに向いている。私も泣き崩れた彼女をじっと見つめてしまった。

「じっと見てたのね。趣味悪いじゃん。」

彼女の低い声が教室に響いた。

そのまま私は忘れ物が何かすら忘れて、ただ走り去った。

「物静かな優等生だと思ってたのに!」
怖くて、家に走ってしまった。カフェなんて、いく余裕がなかった。

「菜月?バイトじゃないの?」

「ほっといて。」

久しぶりに話したお兄ちゃんは、相変わらず声が高い。しばらく心を落ち着かせたい私にとって、あまり良いものではない。

「菜月、ほら。あとでこの紙見ときな。捨てるなよ。」

そう言い残すと、お兄ちゃんは去っていった。

その紙を見ると、彩さんの連絡先、という文字と、数字が殴り書きしてあった。


こんなの読めるかよ。

数分かけて解読したその番号に、ついに私がかける事はなかった。