「…………さぁて、俺はそろそろ部室に行こうかな~、と……」

 奴が見惚れてる隙にとばかりに、恐々《こわごわ》と忍び足で立ち去ろうとする。

 そんな俺に──。


 柚葉の鬼のような眼光が、ギンッと鋭く向けられた。


「ひ……!」

 明確な殺意を感じた俺は、ダダッと廊下を一目散に逃げ出した。


「矢井戸オォォォォ!! 貴様あぁぁ!! 殺ス!! 殺ス!!」

「ぃやああああ!! 怖ぁい!! 怖ぁアい!! 誰か助け……つかヤベ、腰ァァァァァァァァ」



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 ──結局。


 腰を押さえながら涙目で逃走するも、廊下の突き当たりであっさり捕まりボコボコにされました☆