…重いなんて…そんな
好きな本のためなら、そんなのどうってことない。
それに、こんなに会話がすんなりと進んだことが、信じられない、夢をみてるみたい。
「ううんっ…大丈夫です!……嬉しい」
あなたが本を貸してくれようとしたことも、朝美先生じゃない誰かと、同じ温度で会話ができたことも、嬉しい。
男の子はとても嬉しそうに笑ったかと思えば、なんだか途端に目つきが変わって、そして目を泳がせた。
そして咳払いをすると、頬を赤くして言った。
「…す、すみません…つい…あつくなってしまって…」
「……今後は気をつけますので」
あ…れ?
さっきと全然違う…?
さっきのキラキラとしていた表情は、今はクールに。
よく見ると深い青色の髪をしていて、綺麗だなぁ…なんて思ってしまう。
頬はまだ少し赤くて、よっぽど自分がキラキラとしていたことが恥ずかしかったんだなと思った。
「……ふ…」
「わ、笑われました?」
「…ふふっ……ごめんなさいっ」
なんだか、可愛くって…
それに…
…友達と話してるみたいで…嬉しい…



