しばらくの沈黙の後、ようやく気がついてしまった。


あれ…わたしさっきなんて言ったっけ…


__『…「好き」だ!!!』


へ…これってもしかして……

全身が一気に熱をおびて、カァァと恥ずかしさが込み上げてくる。



出会っていきなり告白するヤバい人だと思われてる!!!



どうしよう、どうしよう、はやく訂正しないと



「あっ、あのっ…そうじゃなくてっ…あの、その持ってる本のことでっ」


「はい…分かってます」


「あっ、はいっ…ごめんなさい!!」



……穴があったら入りたい


ひとりで焦ってはやとちりして、大きい声だして、本を読んでいる人の邪魔をして、もうわたしだめだぁぁ…うぅ〜〜…


一秒でもはやくこの場所から離れようと、バックを持って立ち上がる。



「あのっ…すみませんでしたっ……わっ?!」



すぐにでもこの場から離れようという私の行動は、男の人によって阻止されてしまった。


大きくて力強い手が私の腕をつかんで離さない


えぇっ…わたし怒られる?!


こわい、もうだめだ。

思わずギュッと目を閉じた。



「こ、これ!!…あなたもこれ、読んでるんですか?!」