「さ、…さむい…」


図書室の近くにある階段で、女の子達が出てくるのを、ただひたすら待つ私。


普通に戸締まりお願いしますって言えたらなぁ


なんて出来もしないことを心の中で呟く。


この寒さの中、私が先に倒れるか…それとも女の子達が出てくるのが先か…


なんて本の中のセリフのようなことを心の中で言ってみる。



階段さむいなぁ…

図書室は暖房がついてるから暖かいんだよね。


「………」


シーンとする寒い階段のうえで、私はなにをすればいいのだろうか。


なにをするのが正しいんだろうか。


「………」


なにもすることがないとき、ぼーっとしているとき、私の頭をよぎるのは、


――晴日くん。



ごめんなさい。晴日くんのことを勝手に考えてしまってごめんなさい。



晴日くんに恋をしていると気づいてから、わたしの胸は、もっと苦しくなったように思う。

そのたびに思うの。