思わず勢いよく手にとったのは、赤い金魚が写った本だった。
どことなく、私の友達である金魚さんに似ている気がする!
「もしかして金魚さん本人?!」
なんて冗談を言って、ひとりでクスクス笑う。
「あ、これも可愛い!」
一人でテンションが上がって、可愛い本をたくさん手に取り、腕に抱える。
中には金魚さんの写真がたくさん載っているみたいだ。
思う存分、生き物達の本を抱えると、いつもの席に座った。
ワクワク、ドキドキした気持ちで本を開けると、想像以上にきれいな金魚さんたちがいて、思わず足をバタバタさせる。
「わぁぁ…」
か、かわいぃっ
放課後の図書室にくる生徒は、あまりこの学校にはいない。
だからつまり…
思う存分ニヤニヤできる!
喜んだのも束の間、図書室のドアが乱暴な音を立てて開いた。
こんな開け方をするのは朝美先生じゃない。