お昼休み。
いつものようにバックを持って、静かに教室を出た。
ぼんやりしたまま廊下を歩いて、ベランダへと向かう。
「お前やっと来たんかよ!晴日!」
晴日くん…?
背後から晴日くんの名前が飛んできて、思わずハッと振り向いた。
「おう」
たくさんの友達と一緒に笑っているのは、無邪気に笑う、晴日くんだった。
晴日くんだ。
「さぼりすぎ」
「ちげーわ、熱出して寝込んでました」
「おまえ連絡くらいしろよー」
よかった。
……よかった
晴日くんが学校に来てくれて…よかった
「っ…」
頬に流れた涙を、服の袖で拭う。
ほんとうはもう少し笑った顔を見ていたいけど、晴日くんが気分を悪くしたら嫌だから、わたしはすぐに前を向いた。
前を向いても溢れてくる涙は、もう拭わない。
晴日くんが学校を休んでたのは、私のせいじゃなかったんだ。
でも、もう見ないようにするって決めた。
晴日くんはアイドルじゃないし、わたしと友達でもない。
晴日くんに迷惑をかけないように生きる。
それが私のするべきことなんだ…きっと。



