「正反対の人?」
先生の言葉に、私は小さく頷いた。
私の次の言葉を待つように、先生はこちらを不思議そうに見つめている。
「…私は友達いないけど、友達がたくさんいて」
「私は暗いけど、その人は皆を笑顔にしてくれる」
「他にもたくさん」
晴日くんのことを思い浮かべるだけで、私は自然と笑顔になっていた。
晴日くんの無邪気な笑顔が可愛いなって、
かっこいいなって、いつも思うんだ。
「…そっかぁ…同じクラスなの?」
「うん」
「…あっ」
先生は腕時計を見ると、勢いよく立ち上がった。
「ごめん優ちゃんっ、先生ちょっと仕事してくるね、すぐ戻るから〜〜」
「は~い」
先生は毎日忙しそうだなぁ…
それに比べて私は…
自分の好きな本ばかり読んで、お気楽な人。
…何か、私にもいいところがあれば…
…って…
「……そんなの1つもないな…」



