ふとドアの方へ視線を向ける。



「うわぁ〜今日めっちゃ間に合ったわぁ〜」



………え


教室に入ってきたのは、私の憧れの人である、晴日 心くん。



…めっちゃ間に合ったって…なんだろ……

……可愛い



いやいや…そうじゃなくて


なんでこの時間に晴日くんがいるのっ?



いつもなら時間ギリギリに来て、先生に怒られてるくらいなのに。


心臓がおかしいくらいにバクバク音をたてている気がして、思わず右手を左胸にあてる。



…たしかに晴日くんと仲良くなりたいって思ったけど…これはさすがに…



いまこの教室には…



__私と晴日くんの、ふたりっきり。



誰からも返事が返ってこないことを不思議に思ったのか、晴日くんは教室を見渡した。



そして晴日くんの視線と、私の視線が、




…………重なった。



わっっ?!


「……っっ」


動揺して、つい晴日くんから視線を逸らした。


い、いっ……いま目あったっ…?



いつもいつも、私が一方的に見てしまっていたから、目があったことなんて一度もなかった。


でも…いま…はじめて……


晴日くんと、視線が重なった。