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何気ない毎日というものは、長いようで、きっと短い。


ふとカレンダーに視線を向ける。


気づけばもう11月後半だ。



相変わらず晴日くんを目で追ってしまう病は継続中で、いつになったらこの病はなくなるんだろう、と考える毎日。



「………」


歯みがきをする自分の姿が洗面所の鏡にうつっているのを見て、思わず嘲笑ってしまった。



伸びっぱなしの前髪を、適当に右に流して耳にかけた。


長いのは前髪だけじゃない。

後ろ髪も伸びっぱなしで、随分傷んでしまっていると思う。


このままじゃゾンビ映画に出てくるゾンビみたいになってしまいそうだ。



そろそろ切らなきゃいけないかなぁ…



うがいをして歯ブラシを洗面所に置くと、もう鏡を見ることはやめた。


見たって、なんにも変わらないし。



「いってきます」

「いってらっしゃ~い」



髪を切るのは好きじゃない。


髪を切ったあと学校に行くと、皆にじろじろと見られている気がするから。



私のことなんて誰も見てないって分かってるんだけど…

どうしても人の目を気にしてしまう。



そんな自分も、好きじゃない。