ぼーっとしていた私は、もう今日何度目かのチャイムの音を聞いて、はぁっと深いため息をついた。


……やっとお昼だ

体感的には、もう6時間目なのに…


ざわざわと賑やかになった教室を見渡してから、そっと席を立つ。


机の横にかけていたスクールバッグを持って、足音をたてないように、静かに教室を出た。



「………ふぅ…」



廊下を歩きながら、自然と深呼吸をした。


やっぱり教室は息苦しい気がして、一歩、また一歩と足を進めていくうちに、もうこのまま家に帰りたいと思った。


でもそんなこと叶うはずもない。


今日もいつもと同じように、廊下のくぼみにあるベランダを開けた。


なるべくゆっくり横にスライドしてドアを開けたけど、あんまり意味がなかったのかもしれない。


「……さむぃぃ」


ゆっくり開けようが、速く開けようが、寒いものは寒いんだから。



夏は暑くて冬は寒いから、いつもベランダには誰もいない。


もし来たとしても、みんな私を見て帰って行っちゃうだろうな…