「……ふぁぁ……」


…眠い…



「いってきます」



今日も新しい一日が始まる。


朝も結構寒いなぁ…

あまりの寒さに、思わず苦笑いがこぼれた。


ぼんやりしながら歩いていると、少し先になにかがいることに気がついた。


もふもふした毛並みに、凛とした目。

猫さんだ。


「可愛いね」


端っこに座っている黒猫を見て、ほんわかとした気持ちになる。


そしていつものように人工池の前に来ると立ち止まった。


「…金魚さん。行ってきます」


ぴちゃん、と音をたてて水しぶきをあげた金魚さんは、まるで「いってらっしゃい」と言ってくれているみたいだった。