イエロー系のベイクドカラーのニットにチェックのスカート。可愛らしさの中に大人っぽさもある服だ。

「……よし!」

鏡の前で何度も菜月はチェックし、服がおかしくないことを確認する。ノエルと付き合うようになってから、よく鏡を見るくせがついた。

そして、菜月は甘いものを食べて自分を勇気づけることにした。今日の朝ごはんは、カスタードで甘く炊いたお米が詰まったタルト、タルト・オ・リだ。お米のタルトはフルーツのものとは違い、ミルクの味が際立って濃厚な味だ。

「おいしい!」

菜月はパクパクとタルトを頬張る。

ベルギーはフランス料理からの影響が大きく、スイーツも料理もとてもおいしい。フライドポテトの発祥地でもある。

「ごちそうさまでした」

菜月は手を合わせ、お皿を洗う。その間もこれからノエルにしなければならないことを考え、胸を高鳴らせていた。

菜月は家の掃除をしたり、メイクをしたりして時間を潰す。あっという間に時計は九時半を告げた。