「ただいまー。」 誰に投げかけるわけでもなく、帰宅した合図を叫んだ。 家にはいつも誰もいない。リビングの机の上にはラップがかかったおかずがおいてある。 昔なら、"チンして食べてね"とか、"早く寝なさいね"なんて書いてあったが、今は静寂に包まれた部屋にポツンと冷え切った唐揚げが置いてあるだけ。 もう長いこと家族で会話なんてしていない。 母とは少なからず会話があるが、夜中に帰り朝早く出かける父とは最近話した記憶はない。 この広い家で私は1人、ひとりぼっちなのだ。